きっとずっと忘れない。初めて子宮頸がん検診にひっかかった日。
20代半ばの頃、毎年受けていた子宮頸がん検診にひっかかりました。
たしか3回目の検診だったと思います。
結果を見た時は本当に血の気が引きました。
血の気が引くとはこういうことかと初めて体感した日でもありました。
きっとずっと忘れないあの日。そしてその後を綴ります。
自治体から届いたがん検診の案内
20代も半ばになった頃、とあることで産婦人科を受診し、それ以降は自費で子宮頸がん検診を受けていました。
産婦人科の先生に勧められたことと、学生時代に産婦人科の先生が「彼氏が変わったらがん検診を受けろ」と言っていたのを思い出したから受けていた、というだけで。特別「受けなきゃ」という気持ちはありませんでした。
職場が変わって引っ越しをした後、自治体からの「がん検診制度」のお知らせがありました。
集団検診もしくは指定の医療機関であれば少し安く検査を受けられますよ、というもの。
引っ越したばかりでかかりつけの産婦人科もなく、安く受けられるならラッキーと思ったわたしはすぐに予約をしました。
初めて行く病院の産婦人科で女医さんが検査をしてくれました。
エコーもしてくれて、特に問題なく検査は終わり、「検査結果は後日郵送します。」とのことでした。
郵便受けの前で呆然と立ち尽くす
検査を受けたものの特に結果を気にしていなかったわたし。
ある日の仕事終わり、帰宅して郵便受けを確認すると「検診結果」が入っていました。
そうだった。検査受けたんだった。
本当に軽い気持ちで、マンションのエントランスの郵便受けの前で封筒を開けました。
なぜそんなところで開けたのか、今となっては思い出せません。
ただ、その結果を見てしばらく動けなくなっていたことだけは覚えています。
「LSIL」「要精密検査」
と書かれていました。
この「LSIL」が何を意味するものなのか全く知りませんでしたが、精密検査が必要な状態であり、がんの可能性があるんだということだけはわかりました。
その場から動けませんでした。指先が冷たく、血が通っていないように感じました。
心臓の音だけが大きく聞こえました。
まさか。わたしが?なんで?
そんなことばかり考えていました。
とにかく早く精密検査を受けたい
どれくらい立ち尽くしていたかわかりませんが、部屋に戻って最初に思ったことは「はやく検査を受けなきゃ」でした。
親に連絡しようか、誰かに相談しようか、ということは後で少し考えましたが、とにかく精密検査ができる病院を予約しなきゃという焦りがありました。
残念ながら帰宅したのは23時頃だったため、その日は受診できる病院を探して休みました。
あまり眠れませんでした。
翌日勤務の合間に病院に予約の電話を入れ、一番近くの火曜日の午後に検査を受けに行きました。
それでも検査を受けるまで2週間ほどあったと思います。
実はその少し前から仕事のストレスで生理が遅れていたのですが、この結果をみて、結局検査日まで生理がきませんでした。
検査当日ー主治医との出会いー
午前中の仕事を終えて、職場の近くの総合病院を受診しました。
当時働いていた病院でも受診できたんですが、なんとなく抵抗があって他の病院で検査を受けることにしました。
少し待たされて案内された部屋にいたむすっとした中年の男の先生。その病院の産婦人科部長でしたが、この先生がこの先6年間診てくれることになるのです。
検診結果をみて、検査をして、ぶっきらぼうな先生は簡単に説明してくれました。
軽度異形成だよ。みんなががんになるわけじゃ無いんだよ。HPVの検査はしておこう。
少し安心して、ついでに生理が遅れている話をしました。
職場のストレスだと思うが、以前からストレスで生理が遅れることがあり、とても煩わしく思っていると訴えた勢いで、なぜか部長先生に職場の愚痴を喋った記憶があります。
1ヶ月で4つも発表がある!こんなペーペーが班会議で発表するなんてプレッシャーでしかない!考えられない!
今となっては忙しい部長先生にそんな愚痴を言った私が信じられませんが、とてもぶっきらぼうな初対面の先生は表情一つ変えずに話を聞いてくれました。
とりあえずコントロールするにも一度生理を起こさないといけないから、と薬を処方されました。
ホッとしたのでしょう。いっぱい話してスッキリしたのでしょう。帰宅してトイレに行くと生理が始まっていました。
薬は飲まずに1週間後に検査結果を聞きに行くことになるのでした。
検査結果とその後の通院
精密検査から1週間後、検査結果を聞きに行きました。
「軽度異形成」
このまま消えて行く可能性の方が高い。今後定期的に子宮頸がん検査(細胞診)をしていく。そんなに心配しなくて良い。
とても安心しました。
それから最初は3ヶ月に一度、落ち着くと半年に一度は子宮頸がん検診をうけました。
というのも、煩わしかった生理をコントロールするため、また将来のことを考えてピルを飲み始めたのです。
ピルの内服中は子宮頸がん検診を定期的に受ける必要があります。
検査結果は2回目には「ASC-US」、それ以降は「NILM」正常になりました。
もう二度と体験したくない
今となっては10年以上前の話ですが、もう二度とあんな思いはしたくないと思う出来事でした。
検診を受けていなければ知らないで済んだんじゃないか、と思う人もいるかもしれません。
でも全ての人が異形成から正常に戻るわけではないのです。
異形成で発見できることは大切なことなのです。
若い女性が罹患するのが子宮頸がんです。子宮頸がん検診を受けたことがない方は是非受けていただきたい。
そして、こんな思いをしないために子宮頸がんワクチンについても考えていただきたいと思います。
ワクチンについては以前書いています。ぜひ読んでみてください。