【経験談】弱視とは?わたしの場合と現在。
「弱視」と言う言葉を耳にしたことはありますか?
知らない方でも、まだ小学生にもなっていないような小さい子がメガネをかけている姿を見かけたことがあるかと思います。
わたしは小学生からメガネをかけていました。理由は弱視。
今日はこの「弱視」について。
わたしがどうやって治療したのか、現在どうなっているのかをお話しします。
弱視とは
弱視とは「視力の発達が障害されて起きた低視力」を指し、メガネをかけても視力が十分でない場合を指します。*1
生まれたての赤ちゃんはほとんど目が見えていません。
成長するに従って徐々に視力を獲得していくのです。
3歳くらいに大人と同じ視力に達すると言われていますが、この視力を獲得する過程で何かしらの問題が起きると「弱視」になってしまうのです。
弱視の種類
弱視は片目だけに生じることもあれば、両目に生じることもあります。
原因には以下の様なものがあります。
- 遠視・近視・乱視が強い
- 遠視・近視・乱視が片目だけ強い
- 斜視がある
- 片目を遮るものがあった
1つ目の様に両目に強い異常があると両目ともに弱視になります。
残りの3つは片目だけ弱視になります。
片目を遮るもの、といってもピンと来ませんよね。
白内障や腫瘍などの病気で片目が見えない状態も入りますが、眼帯などの装着で片目を遮ることでも起きるんです。
子供が目を怪我しても、大人の様に簡単に眼帯をつけることはできないのです。
弱視はどうやって見つかるのか
3歳児健診や就学時健診で見つかる場合が多いです。
両目の弱視では近づいてものを見る、目を細めるなどすることから気づかれることもありますが、片目の弱視では周囲から気づかれないことも多くあります。
片目の弱視が強いと斜視が出て来て気づくこともあるようです。
弱視は治るのか
一番気になる部分だと思います。
目に根本的な問題(腫瘍とか)がある場合には難しいでしょう。
しかし、早期発見、早期治療をすることで多くの場合は視力を獲得することができます!
10歳頃を過ぎると治療に反応しにくくなります。
治療方法は
- メガネをかけて矯正する
- 良い方の目を塞ぐ
- 目に刺激の入る様に赤ペンで文字を書く
といったものがあります。
まだ理解できない小さい子供にとっては不快なものだったりしますので、なかなか大人の思う様にはうまくいかないこともあります。
根気強く慣れさせる、しかないのですが。
【経験談】わたしの場合 小学生のころ
わたしの弱視がみつかったのは就学時健診でした。
わたしは右目だけ弱視でしたので、両目で見ているときは問題なく見えていました。
見た目にもわからず、大学病院の廊下で母親から「あれ見える?」と遠くにある非常階段のマークを指差して言われたことをはっきり覚えています。
お母さん、何言ってるんだろう?と思っていました。
最初の視力は右0.2、左1.2。
右目に強い遠視があったのです。
眼科の先生からは「どこまで戻るかわからないけどやれることは全部やりましょう」と、
通っていた幼稚園の先生からは「気づいてあげられなくてごめんなさい」と、
そう言われたと後に母から聞きました。
すぐにメガネを作りました。薄い黄色の大きな、右目だけレンズの分厚いメガネを作りました。3万円くらいしたそうですw
左目は「アイパッチ」という絆創膏のようなもので朝から夕方まで遮蔽していました。
毎日赤鉛筆でノート1ページ分、国語の教科書を写していました。
学校では「メガネザル」と揶揄されましたが、気の強かった子供の頃のわたしは揶揄してきた男子を追いかけ回して殴っていましたw
3年生になった頃、片目の遮蔽は午前中だけになりました。
赤鉛筆で教科書を写す日々も終わりました。
4年生になった頃、片目を隠す生活は終わりました。
メガネは相変わらずでしたが、もう体の一部になっており、気になることはありませんでした。
この頃メガネを紛失しました。
メガネを外していても見え方が変わらず、かけているのか外しているのかわからなくなっていました。
右目の視力は1.2。左目は1.5。
弱視からは解放されました。
今のわたし
弱視が見つかってから早30年!
今は仕事中はメガネ、普段は裸眼で生活しています。
右目の遠視は相変わらず。最近は少し無理をしているせいか、少し視力は落ちています。
でもメガネで矯正できる状態です。
朝起きてすぐ時計も見えるし、近視でコンタクトをつけている友人からは羨ましいと言われるレベルに見えています。
小学生の頃の自分は大変だったかと聞かれると、それが普通だったのでなんとも思いませんでした。
毎日教科書を写していたので作文を書くのが上手になりましたし。
からかわれたのはもちろん嫌でした。あの頃のわたしは強かった。
子供の弱視が見つかったお父さん、お母さんへ
こどもが弱視になったのはあなたのせいではありません。
見つかってよかった。本当に良かった。見つかった今が治療開始のタイミングです!
こどものこれからを支えてあげてください。
おしゃれなメガネを一緒に見つけに行きましょう。せっかくだから楽しみましょう。
大人になってから知り合った方に、わたしが弱視だったことを知って、経験談を聞いてほっとしたと言われたことが何度かありました。
周りに弱視の人、そう多くはいないですもんね。
わたしの経験談がだれかの役にたてばと願っています。
*あくまでもわたしの場合です。みんながこのような経過をたどる訳ではありません。