【医者の転職】働きやすいところで働いた方が絶対に良い!
わたしは日本の南の田舎で内科系の医師をしています。
田舎ほど、という印象がありますが、医局に所属している医師が多いのではないでしょうか。
わたしも大学卒業後、2年間の初期研修を終えた後に大学の医局に入りました。
最初は大学病院で勤務し、その後は関連病院と言われる医局から医師を派遣している病院を点々としました。
短くて1年。長くて3年。
どこの病院でも残業や夜中の電話は当たり前。呼び出されることも沢山ありました。
今は医局を離れています。
正直、医局を離れてよかった!と思っています。
今日は医師の働き方と転職について綴ります。
医局に入るのは悪いことではない!
医局を離れてよかったと書いておいて何言ってんだと思われるかもしれませんが、医局に所属するメリットは沢山あります。
1.専門性の高い診療を基礎から学べる
大学病院で勤務するということは、民間の病院で診断がつかなかったり治療に難渋した症例を担当することになります。
もちろん1人ではなく、上級医と一緒に、さらに経験豊富で知識の豊富な先生方と一緒に。
診察手技であったり検査の読み方や解釈の仕方であったり、悩んだ時には教えてもらえますし、とても勉強になります。
将来なんちゃって専門医にならないためには、できる先生をみて学ぶことも大切だと思っています。
また大学生や若手の医師を多く指導してきた先生も沢山いるため、本当に勉強をしようと思えば最適な環境ではないでしょうか。
2.研究に従事できる
基礎研究だけでなく臨床研究についても、大学にいると様々な研究が行われています。
自らで立ち上げなくてもまずは手伝うことから始め、そのうち自ら疑問に思ったことを研究できる。
時間的にも余裕があり、実験の内容や解析方法を相談しながら研究ができるのは大学の良いところです。
3.他の先生方との繋がりができる
同じ診療科を選択した同僚とはもちろん、同じ医局というだけでどこの病院に派遣されても味方になってくれる先生がいます。
すでに医局を離れていても「同門会」に入っている先生とは、同門としてよくしていただくことも多々ありました。
毎年面倒な会合はありましたが、同じ科の先生方と繋がれるのは良いことです。
だって、困った時に助けてくれる人が沢山いるということなのですから。
医局は良いことばかりでもない
それだけ良いことがあって、なんで医局をはなれたの?と思われるかもしれません。
それは嫌なことも沢山あったからです。
1.女性の働き方の選択肢が少ない
内科系ですので女医は多い方です。が、育休明けの女医の働き方は限られていました。
というより、幼い子を育てている女医を受け入れてくれる病院が少なかったのです。
大学病院ではパートタイム勤務になり、15時までの契約なのに17時頃に帰宅する先生もいました。
わたしは育休あけから当直・時間外勤務を免除してもらいましたが、給料が約半分になりました。
医局からの指示で勤務先が決まるのですが、子供をつれて家族で勤務先に引越しをするのも難しいと感じていました。(夫にも仕事がありますもの。)
2.業績が全て
これは医局が、という話ではないかもしれません。
わたしの場合は教授の業績主義についていけなかったことも医局を離れた理由の一つです。
患者さんと向き合おうとせず、病気をみている教授だったので。
自分の業績ももちろん大事だと思いますが、わたしには大学のやり方が合わなかったのだと思います。
3.よくわからない集まりに強制参加
勉強のため、研鑽のための集まりは良しとしましょう。
しかし、医局旅行だ、お花見だ、医局対抗サッカー大会だ、と、何かと集まりを強制されたのは苦痛でした。
しかも家族を連れてこいといわれるのはもっと苦痛でした。
【わたしの理想】転職での条件
育休があけて働き始めると同時に転職活動を開始しました。
条件は以下の通り。
- フルタイム、時短など働き方を子供の成長に合わせて変更できる
- 当直、時間外勤務はなし
- オンコールなし
- 主治医制ではない(夜間や休日に電話がない)
- 専門医としての能力を活かせる
- 院内保育がある
- 産休、育休を取得することに理解がある
- 給料は今と同じか今より多いか
なかなか無理を言っているな...と思っていましたが、即見つかりました。
4月の後半から転職活動を本格的に始め、すぐにこの条件と一致する病院が見つかり、夏までには翌年の4月採用が決定していました。
【病院探し】プロに任せた方が良い
どうやって条件にあう病院を探したのかというと、転職サイトに登録しました。
「医師 転職」と検索すると沢山出てくると思います。
わたしはひとまず3カ所に登録しました。
会社によって提案してくる病院が違う上に、ネットで検索しても出てこない病院もありました。
しかも探してくれるだけじゃなく、交渉もしてくれるし、面接にも同伴してくれます。
履歴書も作ってくれるので、何も準備せずに当日面接を受けるだけでした。
面接後にも「まだあの病院が新しく良い条件をつけてきている」とか、どんどん情報をくれました。
「あの病院は以前仲介して入職した先生が働きやすいと言っていた」「正直ここは評判がよくない」などもこっそり教えてくれます。
そういった会社に仲介を依頼すると高いのではないか、と思う方もいるかもしれません。
実は病院を探している医師側は一切お金を払う必要がないのです。
医師を探している病院側が年収に応じて(と聞きました)仲介手数料を払うからです。
だから仲介業者は年収が上がるように交渉してくれるのだそうです。
仲介業者を介さなければ給料が上がるのでは?とも思いますが、実際はそんなことは殆どないようですね。
【転職後】オンオフはっきり!理想の勤務スタイル
転職後どうだったか。もう良かったの一言です。
定時に帰るの当たり前。帰宅後に電話は一度もありません。
今はフルタイムで働いていますが、帰宅後や休日は子供と夫とのんびり過ごしています。
担当患者数も無理をするほどの人数にはならないし、地域密着で患者さんと向き合える、わたしの理想の働き方をしています。
額面で給料は2倍近くになりました。
医局人事で働いていた頃には思いもしなかった働き方です。
バリバリ働きたい人、ゆっくり働きたい人、それぞれの理想があると思います。
転職はそんなにハードルの高いものではありません。
悩んでいる方はぜひ、一歩を踏み出してみませんか。