【母の教育方針】女こそ手に職をもて!

「先生のご両親もお医者さんですか?」

よく聞かれる質問ですが、「いいえ、違います。」

父は地方の公務員。母はパートタイムで働いていました。

2人とも最終学歴は高卒です。

 

子供の頃たくさん勉強したかと聞かれると「普通かなー」と思うし、

母親は教育熱心だったかと聞かれると「そうでもないかなー」と思うし。

でも、大人になって周囲をみて、自分が子供の頃の母親の教育方針には感心することが多々あります。

だって、

多分わたしのこどもの頃の勉強量は結構多い方だったし、

母親は教育熱心だったから。

それを子供に感じさせなかったのは、「勉強しなさい」という言葉を聞いた記憶がないからなのだと思います。

 

幼い頃に作られた習慣が全て!

そんなわたしの母親の教育方針、子育て術をまとめます。

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【教育方針】女こそ手に職を持て!

物心ついた頃からでしょうか。母からよく言われていたことが二つあります。

一つは「女は手に職を持った方が良い」

母は特に資格を持たず、パートタイムで働いていました。

病院の事務職などを経験しており、口癖のように「看護師さんに憧れる」と言っていました。

その理由は仕事の内容ではなく、

「こどもを産んでも復帰してバリバリ働いている。かっこいい。」

というものでした。

女性はどうしても結婚、妊娠、出産のタイミングで仕事を休まなければならなくなることが出てきます。

母の世代では特に、仕事を続けるというのが難しく、やめるしか選択肢がないことも多かったのでしょう。

女の人でも仕事をしたいなら資格を持ちなさい。産後も復帰できる確実な資格を!

それが母の教えでした。

 

 

【教育方針】与えられるのは経験と勉強の機会

母からよく言われていたことの二つ目は

「お母さんたちはあなたにたくさんのお金を残してあげることはできない。だから将来お金を稼げるように勉強する機会を今あげる。」

塾に行きたい、予備校に行きたい、テストを受けたい、問題集が欲しい。

勉強をするために必要なものは躊躇なく買ってくれました。

わたしの実家は決して裕福ではありません。

古い団地に住んでいて、大人になって父の給料を聞いた時に「よくあんなに教育にお金をだせたな...。」と感心したほどでした。

後から聞いた話では、母は子供に習い事(主に塾)をさせるためにパートをしていたのだとか。

これは大学まで続いて、わたしは奨学金をもらわずに大学6年間を過ごしました。

同じ状況でわたしに同じことができるかと聞かれたらできない気がします、が、母はわたしが立派に独り立ちすることを願ってたくさん無理もしてきたのだと思います。

 

 

大切なのは習慣と反復

母がいまだに「わたしのおかげよ」と良く話すのが、小学校に入学した頃の話です。

小学校に入学後、毎日17時から30分間は勉強の時間と決められていました。

学年が上がると1時間にのび、中学生になると21時から1時間になり。

高校の頃は21時になると部屋に戻り、寝るまで勉強をしていました。

最初は宿題の時間でしたが、自然と宿題+αで勉強をするようになりました。

気が付いた頃にはもう習慣になっていて

「あれ?21時過ぎてた。部屋に戻らなきゃー。」となっていたのです。

幼い頃からの習慣ですから苦痛に感じないんですよね。

 

もう一つ「お母さん頑張ったのよ」と言われるのが「お母さん公文式」w

足し算を習っている頃は母がノートに20問くらい足し算の問題を準備してくれて、それを解いて母に丸つけをしてもらうのを毎日繰り返していました。

引き算の時も、掛け算の時も、割り算の時も。

毎日やっていました。

目の前で丸つけをしてもらって褒めてもらうのが嬉しかったのを覚えています。

わたしが算数が得意になったのはここがきっかけだと思っています。

 

じゃあ公文が向いていたかというとそうでもなく。

小学3年生の時に公文式に体験入学しましたが、すぐにやめてしまいました。

単調作業が苦手だったので、同じことを繰り返して競争相手がいない状況が合わなかったのです。

母がやってくれていたから、続いた理由はそこだったのだと思います。

 

 

【じゃあ仕方ないか】こどもの主張を尊重する

母は勉強のやり方や継続することを強要することはありませんでした。

「進研ゼミやってみたい」と言えばやらせてくれましたが、「やめたい」と言えばじゃあやめなさいとすぐにやめさせてくれました。

塾も「あの先生苦手、やめたい」と言えばやめさせてくれました。

わたしが長く通った塾は3つ目の塾でした。

苦痛に感じるものを無理やり続けるのはわたしには合わないと諦めていたそうです。

 

中学生くらいから、勉強中に音楽を聴くようになりました。

集中していないように思われていたようですが、

ある日わたしはこんなことを言ったそうです。

「テスト中にぼんやり考えてると、あの曲聴いてた時にこの問題といてた!って思い出すの。英単語とかも曲と一緒に出てくるんだよ。」

わたしは全く記憶にありませんが、それを聴いて母は「ながら勉強をやめなさい」と言わないようにしたと言っていました。

 

この子にはこの子のやり方がある、と認めてくれていたのです。

 

 

働き始めて

医者という職業は毎日が勉強です。

論文をひくことも多いし、分厚い本を読むことも多々あります。

専門医試験みたいなテストもあるので、机に向かって勉強する機会もありますが、いずれも苦痛に感じることはありません。

三つ子の魂百まで、というにはおおきくなってからでしたが、小学校入学のタイミングで始めても遅くはないと思います。

 

わたしは母のおかげで今の職につけたと本気で思っていますし、感謝しています。

わたしも母を参考に、自分なりの教育方針を決めようと思っています。